勾配天井とは、屋根の勾配に合わせた斜めの天井のことです。一般的なフラットの天井にはない、上部の開放感が得られます。開放感の魅力から、我が家は勾配天井を決断しました。
しかし勾配天井の決断に至るまで、いろいろと悩みました。勾配天井はメリットばかりではありません。デメリットも存在します。よく考えた末、最終的には勾配天井のメリットがデメリットを上回りました。
ただ、すべての人に勾配天井をおすすめするわけではありません。勾配天井で悩まれている人は、メリットとデメリットを把握し自分なりの検討をするべきです。そこで今回は「勾配天井のメリット&デメリット」を解説します。我が家は勾配天井に決めました。悩んだときに集めたメリットとデメリットを、設置する際の注意点と合わせて紹介します。
-
住友林業で家を建てるデメリット3選!契約したからわかる住友林業の欠点
この度、住友林業で家を建てる契約を行いました。実際に見学をしたモデルハウスの素晴らしさ、営業マンとの出会いなど多くの魅力に惹かれたためです。ただすべてに満足をしたわけではありません。複数 ...
続きを見る
勾配天井のメリット
我が家の勾配天井(建築中)
最初に勾配天井のメリットから解説します。
メリット①部屋に開放感が得られる
屋根の高さに合わせることで、一般的なフラットの天井よりも上の空間が開けられます。ソファに座りながら上を見上げたときの景色が最高です。
勾配天井は、フラットに設置した天井により隠れてしまう壁の部分をさらけ出します。本来ならば天井で隠れてしまう上部の壁部分と屋根裏空間を表にだすことで、大きな開放感が得られる間取りです。さらに工夫を付け加えることで、開放感はどんどん増します。例えば、壁や天井の色です。白で統一するのではなく天井にアクセントを付け加え、空間の形を視覚で捉えやすくします。広がった空間をわかりやすくすることで、より広さが感じられる工夫です。
勾配天井にすると、視線が抜ける空間が手に入ります。背伸びをしても天井に届く気すら起こりません。開放的な空間が、毎日の仕事や家事で疲れた体を癒してくれます。開放感のある間取りになるのは、勾配天井の大きなメリットです。
メリット②同じ部屋でもいる場所で雰囲気が変わる
勾配天井は同じ部屋でも天井の高さが異なります。自分がいる場所によって雰囲気が変わるのもメリットです。
ココがおすすめ
- 天井が高い空間は開放感が得られる
- 天井の高い場所から低い場所へ移ると落ち着きが得られる
高さが違う勾配天井が、同じリビングでも場所によって雰囲気を変えてくれます。毎日開放感のある場所にいると飽きるかもしれません。考え事をしたいときや集中力を上げたいときは、天井の低い場所がしっくりときます。
また、ちょっとしたレイアウト変更でまったく違うリビングになるのもメリットです。気分を変えたいときはレイアウト変更をすることで、まるで別の家に転居したような気持になります。天井の高さが違うからこそのメリットです。天井への視線が変わることで雰囲気も変わります。気分が上々のときとへこんでいるときで部屋の雰囲気を変えてみましょう。感情のコントロールがしやすくなります。
メリット③オシャレな演出ができる
勾配天井のある住まいはオシャレです。ログハウスやスーパー銭湯などで、梁が出ている勾配天井を見たことはありませんか。フラットな天井にはないオシャレな雰囲気が勾配天井にはあるのです。さらにいろいろと工夫をすれば、オシャレな空間が倍増します。
ココがポイント
- 照明付きのシーリングファンを設置
- タイプの違う照明の組み合わせ
- 間接照明の採用
シーリングファンは天井に設置する扇風機のことです。空気の循環を上げ、室内の温度を一定にします。勾配天井との相性が良く、性能だけでなく見た目の向上にも役立つ設備です。勾配天井を採用するときはシーリングファンの設置をおすすめします。
タイプの違う照明を設置するのもオシャレです。
タイプの違う照明
- ペンダントライト
- スタンドライト
- ダウンライト
異なる光の柔らかさを組み合わせることで、空間の印象はだいぶ変わります。気分に合わせて勾配天井と照明の組み合わせを変更しましょう。毎日が楽しくなります。
勾配天井には間接照明もおすすめです。間接照明は、天井や壁にあたった光の反射で部屋を明るくします。メインのライトで全体を照らし、インテリアや飾りに間接照明を照らすリビングもオシャレです。高さの異なる勾配天井だからこそ、いろいろな提案ができます。
照明による演出が好きな人は勾配天井がおすすめです。光の量を調節して、いろいろな雰囲気を楽しめます。
メリット④部屋の明るさと通気が良くなる
勾配天井は部屋を明るくする間取りです。通気も良くなることから、新鮮な空気が家の中に入り込みます。方角にもよりますが、日中は照明を付けなくても暮らせるほどの採光が得られます。
我が家は平屋なので、自然光を部屋の中に多く入れたいと思いました。より多くの採光を取り込むには、窓の数を増やさなければいけません。勾配天井により壁が広がります。広がった壁に高窓を設置すれば、明るさと通気口が得られるのです。
高窓から入る光は、部屋の奥まで届きます。日中ならば照明を利用せずとも採光だけで暮らせるのがメリットです。他にも、勾配天井には天窓の設置ができます。天窓から差し込む光が、部屋の中を暖めてくれるのです。
また、高い位置に設置された窓が通気に役立ちます。左右上下に設置した窓が通気性を向上させるので、常に空気が新鮮です。ウイルスが恐ろしい今だからこそ、通気にも気を配らなければいけません。
自然光はストレスの緩和や、体内での栄養素の生成に活躍します。健康な生活には欠かせないものです。しかも自然光に費用は掛かりません。向きと高さを考えて設置された窓からは無償で差し込みます。勾配天井を採用する際の大きなメリットです。
メリット⑤ロフトやスキップフロアが提案しやすい
勾配天井は上の空間を広げる間取りです。上の空間に設置する「ロフト」や「スキップフロア」の提案がしやすくなります。延べ床面積がもう少しほしいと悩まれている人は、ロフトやスキップフロアを設置しましょう。生活空間が広がります。
ロフトやスキップフロアのメリットは次のとおりです。
さらに詳しく
- 収納スペースとして活用できる
- 子どもの遊び場として活用できる
- 空間に変化が生まれる
ロフトやスキップフロアは、子どもの遊び場に人気です。天井が低くても子どもの身長ならば問題ありません。子どもの遊び場としての役目が終わったら収納として活用ができます。また、ロフトやスキップフロアにより空間に変化が生まれるのもメリットです。単調な空間が豊かになります。
勾配天井はロフトやスキップフロアとの相性が良い間取りです。単調な空間の雰囲気が嫌な人や、延べ床面積が物足りない場合は採用の検討をおすすめします。
勾配天井のデメリット
次に勾配天井のデメリットを解説します。
デメリット①高い場所の手入れが大変
勾配天井の大きなデメリットは、高くなった天井の手入れ作業が大変なことです。高さがあるので、脚立を用意しておかなければいけません。場合によっては業者にその都度依頼を考える必要もあります。主な手入れは次のとおりです。
ココに注意
- 照明の交換
- 照明機器、シーリングファン、梁などのホコリを落とす
- 高窓や天窓の清掃
ライトの寿命も長くなったので頻繫に変更することはなくなりました。しかしオシャレを演出する場合は、多めの照明が必要です。照明機器の数を増やせば、交換の回数も増えます。寿命が長くても回数が増えれば手間です。
またシーリングファンや梁を出した場合はホコリを落とす掃除を定期的にしなければいけません。掃除を怠ると、天井から家中にホコリをまき散らします。アレルギーの原因になるかもしれません。高窓や天窓の設置をした場合も、定期的な清掃が必要です。
若いうちは脚立を利用して作業ができます。しかし年齢を重ねると脚立の作業がつらいです。慣れていない人は脚立から転倒することもあります。手が滑り物を落とすことでフローリングを傷つけるかもしれません。作業前は、フローリングに柔らかい布を敷くなど工夫が必要です。しかし何かを敷くことで滑りやすくなり、足元が不安定なのが気になります。
フラットな天井ならば数分で終わる作業も、勾配天井だと数時間程度が必要です。頻繫に行う作業ではありませんが、勾配天井のデメリットといえます。
デメリット②生活音が響く
勾配天井は音の反響が起こりやすいです。フラットな天井よりも生活音が響きやすく「生活を始めたら気になった」という口コミも多く見られます。生活音が響くのはデメリットです。勾配のある天井とフローリングが反響を大きくします。
生活音が響く場合は、布製のソファやカーテンなど吸音性の高い家具やインテリアを設置するのがおすすめです。空気音を吸収する物を設置することで反響を抑えます。我が家は木造なのでそこまで気にしていませんが、鉄骨やコンクリートは十分な対策が必要です。吸音性の高い和室を近くに設置するなど、いろいろな工夫が必要になります。
勾配天井で生活音が気になるといった口コミは意外と多く見られました。勾配天井のデメリットのひとつです。
デメリット③価格が上がる
勾配天井はフラットな天井よりも価格が上がります。工事費だけでなく、いろいろな価格が上がるのがデメリットです。
ココに注意
- 下地の施工費や材料費が上がる
- メンテナンス費用が上がる
- 設備費用が上がる
天井に勾配ができるので面積が広くなります。下地の面積が広くなった分、施工費や材料費が上がるのです。施工期間が長くなることで人件費もプラスされます。本体価格に追加される金額が気になりました。
また、勾配天井は屋根が広くなることからメンテナンス費用も高くなります。屋根が広いと補修や塗装などのメンテナンスに何日か必要です。材料費と人件費が高くなります。設備費用も気にしなければいけません。窓、照明、カーテンなどの必要数が増えます。シーリングファンを設置する場合は、購入費用が必要です。空間が広くなることから、エアコンも範囲の広い性能が必要になります。機能が良いエアコンは高いです。
勾配天井の住まいに心地よさを求めると、いろいろと金額が上がります。注文住宅の本体価格だけでなく、住み始めてからの費用も上がるかもしれません。価格が高額になりやすいのはデメリットです。
デメリット④冷暖房の効率が悪い
勾配天井はフラットな天井よりも容積が高いです。しかも上に広がる間取りになることから、冷暖房の効率が悪くなります。冬にエアコンをつけても暖かい空気が上に行くのでなかなか暖まりません。
冷暖房の効率を上げるためシーリングファンを活用します。シーリングファンで室内の空気を循環させるのが一般的な対策です。ロフトを設置すると夏は大変な暑さになります。子どもの熱中症にも注意をしなければいけません。冷暖房の対策が必要です。
勾配天井を採用するときの注意点
メリットとデメリットを比較した結果、我が家は勾配天井を採用しました!その際に注意した点を紹介します。
明るさが足りるかを考える
天井が高くなるので、フラットな天井よりも明るさを意識しなければいけません。照明の数には注意が必要です。天井に埋め込むタイプのダウンライトを採用する場合は照明の変更ができません。本当に足りるのかをしっかりと確認しておかなければ後悔します。依頼しているハウスメーカーの担当者と相談をすることが大切です。
個室の勾配天井は必要かを考える
個室に勾配天井が必要かを検討しましょう。勾配天井はリビングに設置することでメリットが最大限に生かされます。個室の勾配天井を嫌がる人もいるので注意をしましょう。個人差はありますが、寝室はフラットな天井の方がゆっくり休めると話す人もいました。
断熱性能の低下に注意
断熱性能の低下に注意をしましょう。口コミを見ると「勾配天井は寒い」といった声をよく見ます。断熱性の低い注文住宅メーカーに依頼をすると、暮らし始めてから後悔をするかもしれません。
勾配天井を採用する場合は、家中をすっぽり包み込むような断熱工法を宣伝しているハウスメーカーに依頼をしましょう。採用している断熱材や厚さにも注意が必要です。
勾配天井はオシャレと解放感を得られますが、住み心地の良さを失ったら意味がありません。断熱性能にも注意が必要です。
勾配天井のメリット&デメリットのまとめ
勾配天井のメリットとデメリットについて解説をしました。最後に要点をまとめます。
ココがポイント
「勾配天井のメリット」
- リビングに開放感が生まれる
- 天井の高低差が部屋の雰囲気を変えてくれる
- オシャレなリビングにしやすい
- 高窓や天窓の設置がしやすい
- ロフトやスキップフロアとの相性が良い
「勾配天井のデメリット」
- 除や照明の交換が高い場所での作業になるので大変
- 音の反響が大きくなりやすい
- 工事費やメンテナンス費用、設備にお金がかかる
- 容積が高くなるので冷暖房の効率が悪い
我が家は勾配天井にしました!勾配天井のデメリットよりもメリットに魅力を感じたからです。契約をした住友林業は、断熱性の高さも問題ありません。デメリットを最小限にした勾配天井に満足をしています。